アンテルナシオナル・シチュアシオニスト第8号(1963年1月)

シチュアシオニスト情報

『1945年以降のパリの文化的前衛』*1(ギー・ル・プラ出版社、1962年)の最終章で、ロベール・エスティヴァル*2はシチュアシオニスト理論の一解釈を提示しているが、われわれの誰一人として、決してそれに賛同できない。なぜなら、この著者はここで…

噂の選集

「シチュアシオニスムとは何かをここで説明するにはスペースが足りない。さしあたり、シュルレアリスム、ダダイスム、実存主義などと同様に、現代思想の1スタイルだということを知っておけば十分である。」ピエール・ピュトマン*1、『ラ・ゴーシュ〔左翼〕…

シチュアシオニスト・インターナショナル反−情宜局

あなたはSI〔シチュアシオニスト・インターナショナル〕と同意見なのですね! あなたはSIに加入したいのですね! 私たちはあなたに、事前のちょっとした課題だけをお願いします。それは、あなたが私たちの諸問題にどれだけ近づいているか、また、あなた…

構築された状況における反復と新しさ

何によって、前衛をその追随者から区別できるのか。また、どんな方法によって、どこであれ変化を手に入れることができるのか。それは実験によってである。実験は、管理されず、無意識的なもので、意味がなく、自発的なように見える。実験は、最初に反復され…

『シチュアシオニスト革命(シチュアシオニスティスク・レヴォリューション)』誌の紹介

幽霊が世界中に出没している、シチュアシオニスト・インターナショナルという幽霊が。古い文化のあらゆる権力は、聖十字軍に団結して、この幽霊を殲滅しようとしたり、あるいは、その名を騙って、身分詐称することでこの混乱が以前の安楽の状態に戻るように…

世界転覆の技術

訳者改題 「そして、今の時代に、まだ地獄のような、真に呪われた何かがあるとすれば、それは、火あぶりにされようとして、薪の山の上で十字を切る死刑囚のように振舞う代わりに、いつまでも芸術的に、形態にかかずらっていることであろう。」アントナン・ア…

『世界転覆の技術』訳者解題

アレキサンダー・トロッチのこの論文は、最初「百万の精神の見えない反乱 lnvisible insurrection of a million minds 」という別のタイトルで発表された英語の論文から本誌のためにフランス語に翻訳されたものである。英語版とフランス語版は、わずかな追加…

当たり前の基礎事実 その4

21 ルンペンプロレタリアートに対して方々から浴びせかけられる呪詛の言葉は、ブルジョワジーがルンペンプロレタリアートを利用していたそのやり方に起因する。ルンペンプロレタリアートは、ブルジョワジーに対して、権力のための調整役であるのに加えて、…

当たり前の基礎事実 その3

前章までの要約 今日、福祉国家は、快適さを提供する技術(ミキサー、缶詰、サルセル*1そして万人のためのモーツァルト)のかたちで、生き延びのための諸要素をわれわれに押しつけているが、そうした生き延びを維持するのに、最大多数の人々は、かつても今も…

定義

──J・V・マルティンの報告において、アントワープ大会で採択された20世紀のデンマークに生きていたらしい作家ナッシュの名前から規則的に導き出された用語。主として、この時代の運動と革命理論に対する裏切りの試みによって知られているナッシュは、こ…

SIは君たちにそれをはっきりと言っていた!

「1961年1月1日以降『アルギュマン』誌に寄稿する者は誰であれ、それが将来のいかなる時であれ、いかなる場合にもシチュアシオニストの一員としては認められないと、評議会は決定した。このボイコット通知は、少なくとも今後何年にもわたる文化におい…

王さまのすべての家来(オール・ザ・キングズ・メン)

訳者改題 現在の疎外を廃止するか維持するかのあらゆる闘いにおいて、言語の問題は中心的位置を占めており、闘争の場の全体と不可分の関係にある。われわれは、汚染された空気の中で生きているのと同じように言語の中で生きている。才気ある人々が考えている…

『王さまのすべての家来(オール・ザ・キングズ・メン)』 訳者解題

「王さまのすべての家来(オール・ザ・キングズ・メン)」というこの論文の奇妙なタイトルは、ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』に出てくるマザー・グースから採られている。ハンプティ・ダンプティ登場の場面でアリスが暗唱するその童謡は、「ハンプテ…

いくつかの国にみられる反シチュアシオニスト作戦

訳者改題 1963年6月25日にシチュアシオニスト・インターナショナルが発表した、ミュンヒェンのウーヴェ・ラウゼン*1裁判に関する宣言は、今後の予測は不明だが、今までのところシチュアシオニスト運動が遭遇してきた3種類の否定を列挙している。つま…

『いくつかの国にみられる反シチュアシオニスト作戦』 訳者解題

この論説は、SIの結成以降5年を経てさまざまな理由からSIを除名された、あるいは脱退した者たちが、世界の各地で「シチュアシオニスト」の名を騙って行っている活動に対して、その理論的・実践的変質をSIが暴露する内容のものである。とりわけ、19…

存在の前衛

訳者改題 つい最近、文化の前衛(アヴァンギャルド)の専門批評家になったリュシアン・ゴルドマン*1が、『メディアシオン』誌 第4号で「不在の前衛(アヴァンギャルド)」について語っている。この「不在の前衛」とは、現代社会の物象化に対するある種の拒…

『存在の前衛(アヴァンギャルド)』 訳者解題

『アンテルナシオナル・シチュアシオニスト』誌第2号の論説「不在とその飾り立て役」、第6号の論説「ふたたび、解体について」に続き、この論説もまた、前衛芸術と呼ばれる文化領域を支配する「解体」派をいっそう手厳しく批判するものである。現代社会の…

自然の支配 イデオロギーと階級

訳者改題 人間による自然の占有は、まさにわれわれ自身がその中に巻き込まれている冒険である。それ自体を議論することはできず、ただそれを出発点として、それについて議論することができるだけだ。現代の思想と行動の中心で常に問題となっていることは、人…

『自然の支配、イデオロギーと階級』 訳者改題

1963年の冒頭を飾るこの論説は、60年代の「新しい資本主義」の出現のなかで、対抗勢力のどれもが有効な反撃を行えないでいる現状を厳しく批判し、シチュアシオニストの考える新しい「革命運動」の性格(その展望とその主体)を定義し、その運動におけ…