アンテルナシオナル・シチュアシオニスト第5号(1960年 12月)

開かれた創造とその敵4

訳者改題「それについての思考と考察は全く新しいものです。引用はまだされていません。主題は、きわめて重要であり、限りない秩序と明噺さをもって取り扱われています。私はそれにずいぶん時間を費やしました。どうか、それを受け入れて、私の才能の最大の…

開かれた創造とその敵3

訳者改題 「足りない設備を作るためには、たいして時間はかからない。しかし人員を育成するには、はるかに多くの時間がかかる。それに、もし設備の製造の際にミスがあっても、それは改められる。必要なら、役立たずの機械を壊して、あきらめることもできる。…

開かれた創造とその敵2

訳者改題 「私はとても悲しい。しかし、私がどんなにがんばってみても、メゼンス氏はPINを出版しようとしない。私たちはお金はいりませんと彼に言っても、彼は笑って、かりにそれを出版するとしたら、私たちのほうが彼にお金を払わなければならないことに…

開かれた創造とその敵1

訳者改題 「仮に、優れた論敵によって引用されなかったとしたら、世に知られずに終わった人は多いのではないだろうか。忘却ほど高度な復讐はない。というのも、それはそれらの人々を無の埃の中に埋もれさせることなのだから。」 バルタザール・グラシアン*1…

シュヴァイヒャーへの返答

権力の座にある芸術の破綻は、もっとも著名な鑑定家たちの目にさえ、日増しに明白になっている。そして彼らは、絶望にくれて、彼らが関与している芸術の破綻と、あらゆる芸術的実践の形而上学的破綻とを混同している。かくして彼らは、まだこれからなすべき…

『開かれた創造とその敵』 訳者解題

ここでは、『アンテルナシオナル・シチュアシオニスト』誌第4号の「独自性と偉大性」でのイズーへの攻撃に引き続き、ヨルンが執拗に批判しているもう1人の「永遠の」レトリスト、モーリス・ルメートルを紹介することで訳者解題に代える。 モイーズ・ビスミ…

演劇ユニット『誰でもない人とそれ以外の人々』への序文

「われわれが力を尽くすことを望むのは、世界の終焉のスペクタクルのためではなく、スペクタクルの世界の終焉のためである。」 『アンテルナシオナル・シチュアシオニスト』第3号の論説より それをわれわれに繰り返し言ったものはいただろうか? それをわれ…

資料

SIの状況についての報告 私がここで言わなければならないことは、すでにSIの内部で広く議論されたことで、それゆえ、それゆえ、その意味を大部分なくしてしまったことを認めるにやぶさかではない。それについては諸君にお許し願いたい。SIを他の政治的…

ロンドンでのSI第4回大会

訳者改題 SIの第4回大会は、1959年5月に開催されたミュンヒェン大会から17ヶ月後、1960年9月24日から28日まで、ロンドンのイーストエンドの秘密の場所で開かれた。ロンドンに結集したシチュアシオニストは、ドゥボール、ジャクリーヌ・ド…

『ロンドンでのSI第4回大会』 訳者改題

1960年9月にロンドンで開催されたSI第4回大会は、SIの歴史において2つの点で重要な大会となった。すなわち、第1にSIの組織形態がそれまでの国ごとに独立した各セクションの連合体から、最高議決権を持つ大会とそれによって選出される中央評議…

SIについての今年の世論(雑誌採録)

ドイツ 「ミュンヒェン・グループ(「シュプール」派)の連中はシチュアシオニスト・インターナショナル(リーダーはA・ヨルン)のあとを走って追いかけている……。口では勇ましい事を言っているが、頭が鈍いというハンディキャップがあるので、十分速く走れ…

シチュアシオニスト情報

SIドイツ・セクションの機関誌『シュプール*1(足跡)』の創刊号が、1960年8月、ミュンヒェンで出版され、5月17日のシチュアシオニスト宣言のドイツ語訳がその巻頭を飾った。11月に出版された同誌2号は、その最も大きな部分をロンドン大会の報告…

シチュアシオニストのフロンティア

SIとは何でないか、SIはもはやどのような領分を占めるつもりがないか(あるいは、あらゆる既存の条件に対する闘争において、単に副次的な仕方ででもそうするつもりがないか)は周知の通りだ。SIはどこへ行くのかを述べたり、シチュアシオニストの計画…

『真実の時』 訳者改題

アルジェリア戦争の1958年(ド・ゴールの登場)までの経過については、『アンテルナシオナル・シチュアシオニスト』誌 第1号の「あるフランスの内乱」および第2号の「革命的知識人の総崩れ」の訳者改題で書いたので、この記事の背景にあるアルジェリア…

真実の時

訳者改題 「下記署名者たちは今後、個人的な冒険の三面記事として提示することのできないさまざまな行為について、各自が意見を述べなければならない。また、かくも重大な諸問題に直面し個人的に決意せねばならない人々に助言を与えるためにではなく、そのよ…

冒険

SIの作業条件を知れば、SIがなぜ規律を課すにいたったのかも、SIが出会うさまざまなかたちの敵意も説明がつく。SIは、現在の芸術の建物のなかに自らの場所を確保したいと思っているのではなく、その建物を地下から侵食するのだ。シチュアシオニスト…