付録資料

一歩後退 (ポトラッチ 第28号)

訳者改題 現代文化のあらゆる形態がその腐敗によって臨界点に達していること、戦後君臨してきた反復システムが大衆的に崩壊したこと、さまざまな芸術家や知識人が新しい創造の展望──その理解はまだ一様ではないが──に基づいて結集していること、以上のことは…

『芸術の革命的評価のために』 訳者解題 

『芸術の革命的評価のために』は、『社会主義か野蛮か』誌 第31号(1960年12月)にS・シャテルがゴダールの映画『勝手にしやがれ』について書いた映画批評に応えるものとして、1960年2月にドゥボールが執筆したテクストである。このテクストは…

落書(エクリチュール)の役割について (ポトラッチ 第23号)

訳者改題 レトリストは、所定の街路にチョークか何かの手段で書き込んで、これらの街路の本質的な意味──それがある場合には──を強調する文章を決定するための第1回調査会を開いた。 これらの書き込みの効果は、心理地理学的なのめかしから最も単純な転覆に…

パリ市の合理的美化計画 (ポトラッチ 第23号)

訳者改題 9月26日に集まったレトリストは、討議の間に言及された都市計画上のさまざまな問題への、以下に挙げるような解決策を一般に提起した。整地作業が最も急を要する問題であると思われるため、建設的な面は考慮に入れなかったことを念頭に置いてもら…

芸術の革命的評価のために

訳者改題1 『社会主義か野蛮か』誌 第31号に掲載された、ゴダール*1の映画に関するシャテル*2の論文は、革命的関心が支配的な映画批評と定義することができる。この映画分析は、出発点を社会の革命的展望におき、この展望の正当性を立証し、常に革命のプ…

『ポトラッチ3』 訳者解題 

ここに付録資料として収めたものは、レトリスト・インターナショナル(LI)の機関紙『ポトラッチ』第23号(1955年10月13日)から第28号(57年5月22日)、新しくシチュアシオニスト・インターナショナル(SI)の情報誌となった『ポトラ…

『統一的革命綱領の定義に向けた予備作業』 訳者改題

『統一的革命綱領の定義に向けた予備作業』は、『アンテルナシオナル・シチュアシオニスト』誌第5号の「シチュアシオニスト情報」に書かれているように、1960年7月20日、〈社会主義か野蛮か〉グループのピエール・カンジュエールとSIのドゥボール…

起源と統一への道

訳者改題 現代のさまざまな困難な条件のなかでも、多くの新しい傾向がすでに始まっている。 「コブラ」の芸術は、その出発の時点から当時の他の傾向と異なっており、抽象芸術の新しい見方を代表している。それは、抽象化というものを信じていない抽象芸術だ…

アルバ綱領

訳者改題 9月2日から8日まで、イタリアのアルバで、「イマジニスト・バウハウスのための国際運動」の名においてアスガー・ヨルンとジュゼッペ・〔ピノ=〕ガッリツィオが招集した会議が開催された。この会合が目指したものは、都市計画とそのさまざまな使…

付録資料に関する訳者解題

ここには、シチュアシオニスト・インターナショナルの成立過程を知る上で不可欠なものと思われる文書のなかからいくつかを選んで翻訳した。 1番目の「状況の構築とシチュアシオニスト・インターナショナル潮流の組織・行動条件に関する報告」は、1957年…

イマジニスト・バウハウス結成のための覚書

訳者改題バウハウスとは何か? バウハウスとは、次の問いに対する1つの解答である。すなわち、機械時代に芸術家が自分の占める場を見い出せるようにするには、芸術家にとってどのような「教育」が必要か? バウハウスの理念をどのようにして実現したか? それ…

統一的革命綱領の定義に向けた予備作業

訳者改題Ⅰ 資本主義、文化なき社会 1 文化というものを、1つの社会が自分自身を考察し、自らのありのままの姿を直視するための道具の総体、つまり自由にできる剰余価値をどのように使うかを選択するための道具の総体、言いかえれば社会自身の再生産に直接…

都市地理学批判序説

訳者改題 関心の程度はどうであれ、われわれが関わっている数多くの物語のなかで、唯一われわれの情熱を掻き立てるのは、新しい生活様式の断片的探究だけである。いくつかの美学的あるいはその他の学説は、言うまでもなく、最も無関心を装っているが、この点…

転用の使用法

訳者改題 現代という時代を少しでも知っている者なら誰でも、次のことに同意するだろう。つまり、芸術が何らかの高次の活動として、あるいは人が誇らしく専心できる代償活動として認められることは今や不可能になったという明白な事実にだ。この[芸術の]衰…

状況の構築とシチュアシオニスト・インターナショナル潮流の組織・行動条件に関する報告 1

訳者改題現代文化における革命と反革命 世界を変革しなければならない、われわれはまず、そう考える。われわれが閉じこめられている社会と生を最大限に解放する変革、それをわれわれは欲するのだ。この変革はそれに適した行動によって可能になることをわれわ…

状況の構築とシチュアシオニスト・インターナショナル潮流の組織・行動条件に関する報告2

訳者改題ブルジョワ思想の最高段階としての解体 いわゆる現代文化は、パリとモスクワをその2つの主要中心地とする。パリから発する流行──その作成においてフランス人は多数派を形成するわけではないが──は、ヨーロッパとアメリカ、そして日本のような資本主…

状況の構築とシチュアシオニスト・インターナショナル潮流の組織・行動条件に関する報告3

訳者改題退潮の時代における少数派潮流の役割 世界的革命運動の退潮は1920年ののち数年して姿を現し、1950年が近づくにつれて次第に顕著になっていったが、それに5、6年ずれて、文化と日常生活の解放をもたらす新しい事物を肯定しようと試みていた…

状況の構築とシチュアシオニスト・インターナショナル潮流の組織・行動条件に関する報告4

訳者改題暫定的反対の基本方針 文化における革命的行動は、生を翻訳したり説明したりすることを目的とするのではなく、それを拡大することを目的とせねばならないだろう。いたるところで不幸を退散させねばならない。革命とは、重工業がどのような生産水準に…

状況の構築とシチュアシオニスト・インターナショナル潮流の組織・行動条件に関する報告5

訳者改題シチュアシオニスト・インターナショナルに向けて われわれの中心理念は、状況の構築という理念である。すなわち、生の瞬間的環境を具体的に構築すること、そして、それらをより高次の情動的質を備えたものに変形することである。そのためには、生の…

状況の構築とシチュアシオニスト・インターナショナル潮流の組織・行動条件に関する報告6

訳者改題われわれの当面の任務 われわれは、労働者の党あるいはそこに存在する急進的潮流に対して次のような必要性を主張しなければならない。すなわち、先進資本主義のプロパガンダ方法の影響力と情動レヴェルで闘うため、首尾一貫したイデオロギー的行動を…