アムステルダム宣言

 以下の11項目は、シチュアシオニストの行動の最小限の定義を提供するものであるが、SI第3回大会へ向けての事前文書として討論に付されるべきものである。

     
  1. シチュアシオニストは、文化において、そして、生の意味が問われるありとあらゆる場所において、反動的なイデオロギーと勢力に対して、あらゆる機会を捉えて対決していかなければならない。

     

  2. 誰であれ、そのSIへの帰属を、あたかも、単なる原則における一致の問題であるかのように考えることはできない。この意味するところは、全成員の活動の本質部分は、共同で練り上げられた展望に、そして、よく統御された行動にとっての必要に、一致しなければならないということである。それは、実践においても、また、公的な態度の表明においても同様である。

     

  3. 統一的で集合的な創造の可能性は、すでに、個々のさまざまな芸術の解体によって告げ知らされている。
     SIは、これらの芸術を改修しようとするいかなる試みに対しても、それを庇護することはできない。

     

  4. SIの最小限綱領は、完全な生の舞台装置(デコール)を実験すること──それは、統一的都市計画にまで拡張されなければならない──であり、そして、これらの生の舞台装置との関わりのなかでの新しい行動を探究することである。

     

  5. 統一的都市計画とは、すべての領域で、最も進化した概念にしたがって、意識的に、人間の環境を創造しなおす、複合的で、永続的な活動として定義される。

     

  6. 居住、流通、およびリクリエーションの諸問題は、生の様式(ライフ・スタイル)のレヴェルで統合された仮説へと収敏していく、社会的、心理学的、そして、芸術的なさまざまな展望へと関連づけて考察される限りで、解決が可能となる。

     

  7. 統一的都市計画は、一切の美学的な考慮からは独立してあり、新しいタイプの集合的な創造性の産物である。したがって、このような創造的精神の発展は、統一的都市計画の先行条件をなす。

     

  8. この発展を促すような環境の創造は、今日の創造者たちの喫緊の課題である。

     

  9. それらが統一的行動に役立つのなら、すべての手段が用いられなければならない。芸術上の手段と科学上の手段との連携は、両者の完全な融合にまで行き着かねばならない。

     

  10. ひとつの状況を構築するとは、幾人かの人々の生に、1回的で、ほんのわずかの瞬間しか持続しない、うつろいやすい微視的な環境とさまざまな出来事の戯れとを創設することである。それは、統一的都市計画における、より持続的な、一般的環境の構築から切りはなせない。

     

  11. 構築された状況は統一的都市計画にアプローチするための1手段であり、そして、統一的都市計画は状況の構築を発展させるために不可欠な基礎である。状況の構築は、より自由な社会の遊戯として、また真剣さとして行われるのである。

アムステルダム1958年11月10日   

コンスタント、ドゥボール