アンテルナシオナル・シチュアシオニスト第10号(1966年3月)

物象化の基本的構造

あたかも老マルクスが墓の中からすべてを指図しているかのように、商品という形態は、その現実の発展の論理によって、経済学批判の解明と深化に貢献してきた。確かに、この批判を引き継いだ者たちは、ブルジョワとしてであれ官僚としてであれ、理論的にも実…

1世代のための展望

狂気の社会が、人々への拘禁服の使用を一般化することによって未来に備えようとしている。この拘禁服とは、技術の粋を凝らした個人的、集団的な拘禁服(家屋、都市、整備された国土)であり、社会はそれを己がもたらした災禍に対する救済策としてわれわれに…

スペインの労働者評議会の綱領に関する論考

訳者改題 スペインでは1つの新しい社会批判潮流が発展しつつあるが、われわれはかなりの部分でこの潮流に同意する。この潮流は、今日的な権力の諸形態の中の後進的な1特殊ケースとしてのフランコ体制と闘わねばならないだけでなく、世界の権力のあらゆる形…

『スペインの労働者評議会の綱領に関する論考』 訳者解題

スペインでは、1939年に激しい内戦の後に共和派を敗北させて誕生したフランコ体制が、その後、1975年のフランコの死去まで続くが、第二次大戦直後のスペインは、戦争中の枢軸国への実質的な支援(ファランヘ党の〈青い旅団〉5万名によるナチスのソ…

アルジェリアにおける階級闘争

訳者改題 アルジェリアの新体制は、その誕生の発端となったクーデタの直後に早々とわれわれがアルジエで発表した『〔アルジェリアと万国の〕革命派へのアピール』のなかでSIが提出した簡潔な分析を確証することを、自らの唯一の任務として引き受けたように…

『アルジェリアにおける階級闘争』訳者解題 

『アルジェリアにおける階級闘争』は、最初、アルジェで編集され、全体を1枚の大きなビラにしてパリで印刷されたものを、1965年12月にアルジェリア国内の主要な都市で非合法に配付された。ここに収められているものは、その再録である。この論文は、…

スペクタクル=商品経済の衰退と崩壊

訳者改題 1965年8月13日から16日にかけて、ロサンジェルスの黒人住民が蜂起した。交通警官と通行人とのあいだで起きた1事件が、2日間にわたる自然発生的な暴動へと発展したのである。治安部隊が次々と援軍に駆けつけたが、街の秩序を取り戻すこと…

『スペクタクル=商品経済の衰退と崩壊』 訳者解題 

1966年3月発行の『アンテルナシオナル・シチュアシオニスト』誌 第10号の冒頭を飾る論文は、前年8月に合州国のロサンジェルスで起きた「ワッツ暴動」についての分析である。SIは、合州国を揺るがせたこの黒人地区での暴動に対してすぐに反応し、1…

SIとラナースにおける一連の事件

1965年はじめ、「体制転覆的な漫画」*1を発行した廉によってデンマークでJ・V・マルティン*2が告発されたことは、いささか物議をかもしていた。この漫画は本誌前号に3つの例を掲載した(21、36、37ページ〔本書 第4巻 254、300、301…