われわれの語る世界1

訳者改題

 われわれの築き上げる新しい理論は、同時代の順応主義者の眼にはどれほど突飛で途方もないものに見えたとしても、新しい歴史的契機の理論以外の何ものでもない。この契機は、すでに存在している現実であるが、厳密な批判の進歩によってはじめてそれを変革しうるのである。「理論への欲求は、ただちに実践への欲求となるだろうか。思想が現実化するることを追求するだけでは十分ではない。それ以上に、現実が〔自ら〕思想となることを求めなければならないのである」(『ヘーゲル法哲学批判序説*1)。シチュアシオニスト的な現実の日常的透視図を手に入れるためには、簡単に入手できる新聞や雑誌のなかでいつでも出会うような情報の解読を手がけるだけで十分である。この解読の手段は、本質的には、事実と、事実を完全に解明するいくつかの主題の一貫性との間に打ち立てるべき関係のなかに存する。この解読の意味は、全面化した詐術の細部から細部へと、ますます悲惨な姿で自己矛盾をおかしてゆくがゆえに、現在いっそう真面目にに受け取られている有象無象の思想家たちのでたらめさ(=首尾一貫性の欠如〕を明らかにすることによって、逆に立証される。


孤立の技術

 現在の社会における技術的発展のあらゆる側面、とりわけ、いわゆるコミユニケーション手段なるものは、個人の受動的な孤立を最大にし、一方通行の「直接的かつ恒久的な結び付き」と、あらゆる種類のりリーダーによって広められている有無を言わせぬ扇動によって、彼らをコントロールすることに向けられている。この技術のいくつかの応用例は、根本的に欠如しているものに対するちっぽけな慰め、あるいは、時に、特に、この欠如の純然たる証拠そのものさえ提出するに到っている。

 あなたがTVの熱狂的な愛好家なら、かつて実現されたことのない最も驚くべきテレビがあなたの興味を引くことだろう。なぜなら、あなたはそれをどこにでも持ってゆけるからである。アメリカ合衆国のヒューズ・エアクラフト・コーポレーションが製造した、このまったく新しい形のテレビは、頭にのせて持ち運びできるようになっている。このテレビは重さ950グラムしかなく、本当に、飛行士や電話交換手のヘッド・バンドの上に着用できる。それは、片眼鏡のような形をした円いプラスティック製の超小型スクリーンを、1本の支えて、眼の前4センチのところに装着するようになっている(……)映像は片方の眼でしか見ることはできない。もう片方の眼で、別の所を見たり、さらには字を書いたりり、手仕事に集中したりし続けることもできる、とメーカーは言っている。

『ジュルナル・デュ・ディマンシュ』紙、62年7月29日付

 炭鉱争議はついに解決され、どうやら明日の金曜日には作業が再開される見通しである。(……)炭鉱労働者街と採石置場をこの3,4日間ずっと包み込んでいた完璧なまでの静けさを説明するものは、おそらく、こうして議論に参加したいという感情だったのだろう。トランジスタ・ラジオはもちろん、とにかくテレビがあったおかげで、リーダーだちとその委任者だちとの間のこの直接的かつ恒久的な連携が容易に可能になった。と同時に、テレビは、決定的な時間にわが家に帰ることを余儀なくさせた。昨日もまだ、その時間には、組合本部に集まるため、誰もが逆に外出しようとしていたのであるが。

ル・モンド』紙、63年4月5日付

 シカゴ駅に、孤独な旅人たちのための新しい慰めが置かれた。1「クォーター」(1.25フラン)で、蝋製の自動人形があなたの手を握り、こう言う、「こんにちは、おじいさん。お元気ですか? お会いできてうれしいです。良い旅を」。

『マリー=クレール』誌*2 1963年1月号


言葉とその使用者たち

 「言葉は生の支配的組織化のために働く〔=変質する〕(……)。権力は言葉でできた偽の身分証明書を与えるだけだ(……)。それは何も創造せず、回収するのである」(『アンテルナシオナルjンチュアシオニスト』誌 第8号)。言葉の転倒は、それらの言葉を当てにしてきた異議申し立て勢力の武装解除を示している。世界の支配者は、その時、記号を奪い取り、雷管を取り外し、意味をねじ曲げる。革命という言葉は、広告業界で慣習的に使われる基本語彙になってしまった。『デァ・ドイチェ・ゲダンケ〔ドイツ思想〕』誌によって集められた例の中で最もひどいのは、「〔=口紅(ルージュ)〕の革命──レッドフレックスによる革命」という文句だった。社会主義という概念も、フルシチョフからカトリックの司祭たちにいたるまで、たった1つの言葉にかつて集中されたことがないほど雑多な曲解を受けている。労働組合もその役割を完全に変えてしまった。今年のベルギーの医者たち〔のストライキ〕に見られるように、今や、最も有効なストライキを組織しているのは、特権階層の者たちである。新中国派のシネの「無政府主義アナキスト)的意見」や、さらには、『ル・モンドリベルテール』誌の無政府主義アナキスト)的意見からも判るように、無政府主義アナーキー)の概念もまったく例外ではなかった。

 エディンバラ公はつい最近、労働党傘下の英国労働組合会議(TUC)のメンバーになった。このエリザベス女王の夫の所属する映画シナリオ作家ギルドが、実はTUCに加盟したのである。

ロイター、64年4月17日

 クメール政権*3の政治体制は社会主義の用語法を発想源としているので、この政権の共和派君主は「サムデッチ・サハチヴィン」すなわち「王子同志(カマラド)」と呼ばれている。

ル・モンド』紙、64年5月二27日付

 ローマ法からアフリカ黒人法に戻ること、土地所有に関するブルジョワ的概念から社会主義的概念に戻ることが重要である。この社会主義的概念は、伝統的なブラック・アフリカの概念なのだ。

レオポール・サンゴール*4、1964年5月のダカールでのラジオ演説

演説者のなかには、女性解放に対して明白きわまりない留保を表明する者が幾人かいた。他の演説者は、概ね次のように述べた。アルジェリア女性は解放されて、国民生活の中に再統合されねばからない。だが、まず、彼女らはその
すべての義務を体得し、コーランとすべての戒律をよく知っていなければならない、と。経済と社会に関する決議文には、「われわれの伝統とわれわれの社会主義的選択に合致した家族法が、可能な限り速やかに整備され」なければならないと書かれている。

ル・モンド』紙、64年4月22日付

 

 

 会議には「社会主義者グループ」が集まっていたが、この一派を横断するさまざまな潮流を、さらに細かく分けることができるだろう(……)。キリスト教徒の活動家はそのグループに完全に参加していたが、不機嫌さを隠そうとしなかった。というのも、彼らの1人の言葉によると、「社会主義者の洗礼証明書をたえず懇請しなければならないことに、白分たちは飽き飽きしている」からである。

『フランス=オプセルヴァトゥール』誌、64年2月13日号

 その人物は、本人の言うことを信じれば、アナキストである。彼は、それをあなたにこっそりと打ち明け、「だれでも知っていることだ」とつけ加えさえするだろう(……)。彼の名はシネ*5で、キューバから戻ったばかりだ。「労働者は革命を理解していますか?──いいえ、それに、彼らはそんなものの理解をけっして手に入れないほうがいいのです(……)。資本主義者の牢獄はありませんが、革命派の牢獄があります。すべてがうまく行っています。うまく行きすぎているほどです。(彼は、質問者の1人に向かってこう付け加える)そこに行くことは、あなたには、とてもためになるでしょう」。これが、シネ氏のアナキストとしての意見である。

ル・モンドリベルテール』誌、1963年9月号

 ラヴァショル*6とボノ団*7についてのお決まりの物語、それは、『アンビギュ』誌や『グラン=ギニョル』誌*8のなかにアナーキーを発見したゴシップ記者全員の馬鹿の1つ覚えである。

モーリス・ジョワイユー、

ル・モンドリベルテール』誌、1946年4月号


余暇が働く〔=変質する〕

 余暇の発展と強制的な消費の発展によって、偽の文化と偽の遊びは、経済の成長部門となった(三連勝式(ティエルセ)〔競馬で上位3頭を当てる方式で、街の場外馬券売場で売られる)はいまや、売上高でフランス第5の企業だ)だけでなく、経済の目的そのものを表しながら、次第に経済全体を動かす傾向にある。普通、「最良のものと最悪のもの」と見なされているものは、文化のスペクタクルのなかでほとんど完全に混ぜ合わされることによって、必ずこの最悪のものの方に傾いてゆき、それがそのスペクタクルの唯一の意味となるのである。その意味とはすなわち、生き延び〔=余りの生〕の消費であり、それは社会的に予想され、計画され、保証された死を好んで採用するまでになる。資本主義の前衛はすでに、死そのもののなかでの消費を当て込んでおり、最後には生き延び〔=余りの生〕の絶対を享受できるよう、自分の年金を作るようそそのかしている。

 フランス青年音楽連盟、地中海クラブ*9、愛書クラブ、雑誌『プラネット』*10は、つい最近、20世紀フランス人協会内で1集団を形成した。この協会は、1901年の法令によるもので、営利を目的とせず、宗派的性格も政治的性格も持たない。それは、個人にではなく、さまざまな形態の余暇団体間で組織される交流に参加する意志のあるすべての団体に対して開かれている。設立団体である4つの組織の活動家の言うことを聞くかぎり、純粋に商業的な関心を除けば、これらの集団を結びつけているものが何なのかはよくわからなかった。彼らの1人は、次のような言い方でそれを説明した、「私たちはみんな、よく知られていない分野で働いています。しかし、この分野はたえず発展し続けるでしょう。つまり、大衆文化と余暇の分野です(……)」。

ル・モンド』紙、64年2月22日付

 バークレイ銀行の発行する雑誌は、その最新号で、ビートルズが「イギリスの経常収支の均衡に大きく寄与する目に見えない輸出品」になっていると書いている。

ロイター、64年2月25日

  
 

 ビートルズが好きな者はたくさんいる。ビートルズリヴァプールの労働者大衆の真の声を聞かせてくれるからだ、と彼らは言う(……)。だが、「マージーサウンド*11は、共産党系の『デイリー・ワーカー』紙が書くように、本当に30万人の失業者を抱える8万戸のスラムから立ち上る反逆の叫びなのだろうか?(……)これまでビートルズは自分たちの起源である大衆的な口調を強調してきたが、今日ではより広範な聴衆に目を向けている。その聴衆には、新しい労働者階級に加えて、中産階級と、豊かな社会の恩恵を受けているすべての人々が含まれるのである。そして、彼らがこの進化をよく理解したからこそ、マネージャーは彼らに清潔な服を着て、髪の毛を洗うようにすすめたのである。

アンリ・ピエール*12、『ル・モンド』紙、63年12月12日付

 

 世界がこれまでに見た最大のスペクタクル、10億ドルの投資(その90パーセントは2年後には何の痕跡も残さず消え去るだろう)、オブジェと生き物の魅惑的なコレクション。ブルンジ*13の国王陛下の専用バレエ団を構成するワツチ族*14のダンサー──その聖なる太鼓は、これまで故国を離れたことがない──から、この上なく複雑な電子機械まで、ミケランジェロの「ピエタ」から人間が月面に立つ準備をするための宇宙船のキャビンまで。「理解による平和」、これが、水曜日に開幕するニューヨーク見本市のスローガンである(……)。
 入場者はミニカーに乗って未来への旅ができるだろう。彼らは未来都市の中を自由に見て回れるが、そこでは、交通問題はすべて解決され、自動車専用道路は地下に掘られ、駐車場は1階に、店舗は2階に、住居は3階に、公園や樹木と花の植えられた空間は4階に設置されている。夢物語だろうか? 大企業の広告代理店は、このように反論する。1939年のニューヨーク博覧会では、ジェネラル・モータースがすでに高速道路と橋と地下通路の予想図を描いており、それは当時は夢物語のように見えたけれども、その後、アメリカの現実の一部になったと(………)。
 コカコーラは、好奇心の強い人々に、まったく特殊な「地球一周旅行」を提供する。彼らは「地球上の最も遠く離れた場所を感じ、触れ、味わう」ことができ、おまけに、この上なくすてきな音楽と歌を聴き、多種多様な他の感動を味わうこともできるのだ。もちろん、それらの香りと味はすべて、電子頭脳によって「生産され」、自動的にコントロールされたものなのだが(……)。
 RAU(アラブ連合共和国*15はファラオーの金細工を見せつけることで、フラフランコ将軍はベラスケスからゴヤまで、ピカソからミロまでの古今の大画家の絵を展示することによって、アメリカ人の共感を引きつけようとしている。(………)
 美術愛好家のためには、大規模な現代美術展が開かれる。科学的精神の持ち主のためには、発見館がある。女性の訪問者も忘れられてはいない。クレイロル館では、1人1人の女性が、次の季節に自分の髪をどうするか、ブロンドか赤毛か、栗色の髪か黒髪か……を決めることができる。「プラクティカル・ビューティ」という装置のおかげで「色の試着」ができるのである。この館ではまた、電子頭脳が人物の身体データを考慮して、適切な助言をしてくれる。パウダーは何色にすべきか、口紅の色やアイシャドーの色、眉毛やマニキュアの色などはどうすべきかを教えてくれるのである。

ル・モンド』紙、64年4月22日付

 「生活のための技術」展を訪れたまえ。「15年後のあなたの暮らしを見に来て下さい」。ロンドンで最も有名な店の1つであるハロッズ館の大ホールに……。「ワインを室温にするのに、困っているあなた。『電気室温化機』はいかがですか。ボルドー・ワインを室温にするには左のボタン、ブルゴーニュ・ワインは右のボタンです。値段は7リーヴル」。(……)「『生活のための技術』展は手近な未来の先取りです。12ヵ月から24ヵ月のローンで買える未来の先取りなのです」。(……)「なぜ壁紙を貼るのですか、と女性アナウンサーは話を続ける。ヘリオラマ(色調の変わる電動板)を吊ればよいのです」。

『フランス=ソワール』紙*16、64年2月28日付

                                         

 テキサス州ハリス管区(カウンティ)刑務所の6名の囚人は、タバコの害毒に関する公式報告に心を動かされて、昨日、禁煙宣言を公表した。肺癌で死にたくはないと言うのである。この六名の囚人は、さまざまな罪状で、全員が電気椅子送りを宣告されているのだが。

ヒューストン発UPI、64年2月13日

 エッティンガーは、人体冷凍が「歴史上、最も将来性のあるもの──と同時に最も問題をはらんだもの」であると述べている。いずれにせよ──実用的でなくてはならないので──、このアメリカの学者は、将来のことを考えるすべての人に対して、遺書に自分が冷凍されたいかどうか明記し、一時的な死と自分の第2の生のための金を取っておくよう勧めている。死体で満たされるはずの冷凍「寝室」(死体の重さは、合衆国では1500万トンになるだろう)の滞在費は、エッティンガーの見積では、年間約200ドル(1000フラン)になるだろう。

『フランス=ソワール』紙、64年6月17日付

*1:ヘーゲル法哲学批判序説 引用はカール・マルクス 『ユダヤ人問題に寄せて・ヘーゲル法哲学批判序説城塚登訳、岩波文事、87ページ。

*2:『マリー=クレール』誌 1939年創刊の女性月刊誌。日本、アラブ、スペイン、イタリア、英国、トルコ版などもある。

*3:クメール政権 1953年にフランスからの独立を果たしたカンボジアで、60年に国民投票で選ばれた国家元首ノロドム=シアヌーク国王の政権で、〈王政社会主義〉体制を推進した。クメールはカンボジアの古称。

*4:レオポール・セダール・サンゴール(1906−) セネガルの詩人・政治家。30年代にパリでエメ・セゼールらと知り合い、ネグリチュード運動の中心人物として活動、多くの詩を書き、48年にサルトルの序文「黒いオルフェ」を付した『二グロ・マダガスカル新詩集』を発表し注目を集めた。政治的には30年代から人民戦線に加わるなど、フランス社会党の積極的な活動家だったが、48年セネガル進歩党を結成、60年のセネガル独立とともに初代大使領となり、独自の社会主義路線を打ち出したが、フランス共同体を礼賛し、フランスとの親密な関係を維持した。

*5:シネ(本名モーリス・シネ 1928−) フランスの漫画家、フランスの週刊誌『レクスプレス』などに風刺の効いた漫画を掲載する一方で、62年から63年には個人誌『シネ・マサクル』(全9号)を出し、68年には反権力の風刺漫面誌『アンラジェ』を刊行するなど、新左翼学生運動の中でもてはやされた,現在も反人種主義からサパティスタ支援まで左翼運動を幅広く特集する『シャルリー・エブド』誌に多くの漫画を掲載している。

*6:ラヴァショル(本名フランソワ・クローディウス・クーニグシユタイン 1859−92年) フランスのアナキスト。染物工として働きながら、1892年に逮捕されたアナキストの復讐のため、数多くのテロを行い、自らも逮捕されギロチン刊に処せられた。

*7:ボノ団 ジュール・ジョゼフ・ボノ(1876−1912年)に率いられたフランスのアナキスト・グループ。1910年から12年にかけて、パリで銀行強盗を組織的に行った。

*8:『グラン=ギニョル』誌 「グラン=ギニョル」は、1895年「テアトル・サロン」の名で設立された人形劇。笑いと恐怖の入り交じった独白の形式を生み出して人気を博したが、戦後、探偵小説〈セリ・ノワール〉の脚色や科学の進歩などに想を得た出し物で革新を計るが、62年に閉鎖。63年からベケットやイヨネスコのアンチ・テアトルを題材とする新しい人形劇団として再出発した。『グラン=ギニョル』誌はその雑誌か。

*9:地中海クラブ 1946年創立のフランスの会員制リゾートクラブ,会員77万人を擁し、フランス本国とタヒチやアンチール諸島などの海外県・海外領土に100近くのリゾート村を開設する。

*10:『プラネット』 フランスの作家・ジャーナリストのルイ・ポーヴェル(1920−)がジャック・ベルジェとともに1961年に創刊した隔月刊の雑誌。66年まで全41号が刊行された。オカルトやSFなどの大衆文化から政治・芸術まで、雑多な主題を扱う総合雑誌だが、その基調は右翼的保守主義だった。

*11:「マージーサウンド ビートルズの誕生したリヴァプールを流れるマージー川にちなみ、彼らの音楽を形容する言い方。

*12:アンリ・ピエール フフンスのジャーナリスト。著書に『ホワイト・ハウスの日常生活──レーガンとブッシュの時代』(九〇年)など。

*13:ブルンジ アフリカ中部、ルワンダとザイールにはさまれた国。人口約350万。農業国でコーヒーで有名。ドイツ占領、ベルギーによる国連の委任統治を経て、62年から独立王国になり、66年に共和国になった。

*14:ツチ族 ブルンジ人口構成は、85パーセントがフツ族、14パーセントがツチ族、トワ族が1パーセント以下となっている。ここに書かれたワツチ族とは、このツチ族のことか。ツチ族は少数派の遊牧民だが、多数派の農耕民であるフツ族を征服し従属させ、国王もツチ族から出ている。

*15:RAU〔アラブ連合共和国 1958年にエジプトととシリアが合併して誕生した共和国。同年イエメンを併せてアラブ連合を結成したが、61年、シリアのクーデターにより解体、以降、71年までエジプトがアラブ連合共和国を国名とした。

*16:『フランス=ソワール』紙 1944年創刊のパリの夕刊大衆紙