スペクタクルの社会 ギー・ドゥボール

The Society of the Spectacle
La Société du spectacle
フランス/1973/フランス語ほか/モノクロ/35mm(1:1.37)/80分

監督、脚本:ギー・ドゥボール
原書:『スペクタクルの社会』(シャン・リーブル、1967年)
編集:マルティーヌ・バラケ 
資料:シュザンヌ・シフマン
録音:アントワーヌ・ボンファンティ
製作主任:クリスティアン・ラントルティアン
製作会社:シマール・フィルム 
製作:ジェラール・ルボヴィッシ
音楽:ミシェル・コレット 
声:ギー・ドゥボール
既存映画を転用するにあたり使用された作品:ジョン・フォード『リオ・グランデの砦』 ニコラス・レイ『大砂塵』 ジョセフ・フォン・スタンバーグ『上海ジェスチャー』 ラオール・ウォルシュ『壮烈第七騎兵隊』 オーソン・ウェルズ『アーカディン/秘められた過去』 サム・ウッド『誰が為に鐘は鳴る』  その他、「社会主義と称される国々の、幾人かの官僚的な映画作家による作品」
海外配給:ラブストリームス・アニエスべー・プロダクション
提供:カルロッタ・フィルム

 1967年に刊行された、ドゥボールの思考とSIの理論の集大成である同名タイトルの書籍をもとにして製作された作品。自著を朗読する絶え間ないドゥボールの声と、極度に見世物と化した世界の映像が続く。ヴェトナム空爆、スペイン内戦、ハンガリー動乱、パリ68年5月革命。ケネディ暗殺犯オズワルド、毛沢東ニクソン会談、スターリンの政治演説、ヒトラー政権下の工場労働者たち。モード・ショー、ビキニ姿の女性、モンローのブロマイド。そして、ウォルシュ、フォード、レイの西部劇。「転用」された映像や言葉を通して、スペクタクルと化した資本主義社会の姿が突きつけられると同時に、イメージによって媒介された、諸個人の社会関係そのものが批判される。「近代的生産条件が支配的な社会では、生の全体がスペクタクルの膨大な蓄積として現れる。かつて直接に生きられていたものはすべて、表象のうちに遠ざかってしまった」(ドゥボール)。