死後の生連合持株会社

訳者改題

「死後の生〔=生き延び」の問題についての会議が3月2日パリで開かれた。これは、国際古典研究所(代表アメデ・ポンソー*1女史)とパリ神学コレージュ(代表マルシャル牧師)によって主催されたものである。この集会にはジョビ猊下、哲学者アクセロス*2、ビロー*3、リクール両教授が参加していたが、その最中には、ニーチェシモーヌ・ヴェーユ*4キルケゴール、聖ファン=デ=ラ=クルス*5の文章が、ジェルメーヌ・ラファーユによって朗読された。」

ル・モンド』紙、66年3月6日付

*1:アメテ・ポンソー フランスの批評家。著書に『哲学入門──証言』(63年)、『乗り越えられた時間──芸術と歴史』(73年)、『バルザックの風景と運命』(74年)など。

*2:コスタス・アクセロス(1924−) ギリシャ生まれのフランスの哲学者。第二次大戦前に、ドイツ・イタリア軍の占領下のギリシャ共産党に入党、レジスタンスに参加。内戦期には、共産党から除名され、右翼政権に死刑を宣告される。戦後、パリに移住し、ソルボンヌで哲学を学び、62年以来、同大学の哲学講師となる。57年から62年まで、『アルギュマン』誌の編集長をつとめ、60年からはエディシオン・ド・ミニュイ書店の〈アルギュマン〉叢書を創設・主宰。著書に、『ヘラクレイトスと哲学』(61年)、『技術の思想家マルクス』(61年)、『遊星的思考へ』(64年)など。

*3:アンリ・ビロー フランスの哲学者。著書に『ハイデッガーと思考の経験』(78年)など。

*4:シモーヌ・ヴェーユ(1909−43年) フランスの作家・哲学者。ユダヤ人として生まれ、地方の高等中学校で教えた後、ルノー自動車工場で働き、スペイン人民戦線に参加した後、米国に逃れるが、レジスタンスに参加するためロンドンに渡りド・ゴールの「戦うフランス」運動に加わり、同胞の窮乏を分かとうとして食を断ち、衰弱のなかで死亡。戦後、カミュの主催する〈エスポワール双書〉に、歴史・文明・哲学・労働問題・宗教を諭じた遺稿が発表され、注目されるようになった 著書に『重力と恩寵』(47年)、『労働者の現状』(51年)など。

*5:聖ファン=デ=ラ=クルス(1542−91年) スペインの詩人・神秘思想家・聖人。カルメル会修道士としてスペイン各地で活動し、対立宗派から牢獄に監禁されたりするなかで書いた書簡・著作に表れた神秘思想と文学的価値が良く評価されている。著作の多くは対立宗派によって破棄されたが、死後出版の神秘詩に、神と人間の魂が男女の恋愛のエクスタシーのなかで交わる喜びを描いた『霊の賛歌』、『暗夜』、『燃えさかる愛の炎』などがある。