定義

  • 構築された状況  統一的な環境と出来事の成り行きを集団的に組織することによって具体的かつ意図的に構築された生の瞬間。

  • シチュアシオニスト(状況派・状況派の)  状況の構築の理論もしくはその実践活動に関すること。状況を構築することに努める者。シチュアシオニスト・インタナショナルのメンバー。

  • シチュアシオニスム(状況主義)  上の用語から派生して誤って作られた無意味な語。シチュアシオニスムなど存在しない。そんなものは、既存の事実に対する解釈の教義を意味するにすぎないだろう。シチュアシオニスムという概念はあきらかに反シチュアシオニストらの着想した概念である。

  • 心理地理学  意識的に整備された環境かそうでないかにかかわらず、地理的環境が諸個人の情動的な行動様式に対して直接働きかけてくる、その正確な効果を研究すること。


  • 心理地理学的  心理地理学に関係するもの。情動に対する地理的環境の直接的作用を示すもの。

  • 心理地理学者  心理地理学的現実を探求し、それを伝える者。

  • 漂流  都市生活の諸条件に結び付いた実験的な行動様式、すなわち、変化に富んだ環境のなかを素早く通過する技術。より特殊には、この実験を連続的に行う期間を指すこともある。

  • 統一的都市計画  様々な実験的行動とダイナミックに結び付いた環境の完全な構築に与する芸術および技術の全体の利用の理論。

  • 転用  前もって作られた美的要素の転用、という言い方を省略して用いられる。現在のまたは過去の芸術生産物を環境のより高度の構築に統合すること。この意味では、シチュアシオニストの絵画やシチュアシオニストの音楽というものはありえず、ただこれらの手段のシチュアシオニスト的使用があるだけだ。より原始的な意味では、昔の文化の諸領域の内部での転用は、プロパガンダの方法であり、それはこれらの芸術領域の衰弱と重要性の喪失のあかしである。

  • 文化  それぞれの歴史的瞬間において、日常生活を組織する様々な可能性を反映し、予示するもの。美的なもの、感情、風習の複合体。それによって、共同社会は、その経済が自らに客観的に与えている生活に対応する。(われわれはこの用語を、諸価値の創造という展望においてのみ定義するのであって、それらの価値の教育という展望において定義するのではない。)

  • 解体  より優れた文化の構築を可能にすると同時にそれを要求しもするより優れた自然支配の手段の出現の結果、伝統的な文化形態が自ら解体するプロセス。古い上部構造の実際の破壊という、解体の積極的段階──それは1930年ごろに終る──と、それ以来ずっと優勢である反復の段階とを区別せねばならない。解体から新しい構築への移行の遅れは、資本主義の革命的清算の遅れと結び付いている。